死神のサングラス/BLANKEY JET CITY(ブランキージェットシティ)

イントロから、達也のキレのいいドラム。照ちゃんの重厚なベースライン、

そしてベンジーのギターソロも素晴らしく、3人の演奏が素晴らしいミドルテンポのナンバーだ。

どちらかといえばこれまで力任せに突っ切るような曲が多かったブランキーだが、3rdアルバムで新たに「技」を手に入れたような雰囲気の曲だ。

こういったゆったりめの曲でもかなり聞き応えがある。

ベンジーのセリフ口調の歌い回しも秀逸にかっこいい。

最初の歌詞が

いいだろう 俺のこのサングラス

のっけからこの曲の世界観に持っていかれる。

このサングラスをかけると何か違う世界が見える。

なんと神様ですら見えるのだ。

そして、この曲で描写される「神様」が印象的だ。

ピンボールに夢中で、セックスピストルズでノリノリで、戦争反対のTシャツを着たちょっといい加減な神様。

私の勝手な解釈では、この神様は、人の生死を「死神のサングラス」なるピンボール台に委ねている。

ピンボールで決まる人の生死を想像してみてほしい。あまりに軽くないか。

でも神様にとっては、人の生死など単なるランチタイムの合間の遊びでしかない。

そしてこの神様は戦争反対のTシャツを着るほど、自分の行為に無自覚で薄っぺらい。

つまり、人の生き死になど神様にとっては全く取るに足らないものなのだと、この曲は皮肉っぽく歌っているのだ。

単純に聴けば演奏はかっこいい曲なのだが、この曲の本質を理解すればするほど、その皮肉は心にぐっさりと刺さる。

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