この曲を聴いて衝撃を受けたという人が多いためか、特段シングルカットされているわけではないのに
ブランキーの代表曲となっており、ライブでもたびたび演奏されている。
個人的にもブランキーを聞いたことのない友達にこの曲を聞かせると
必ずブランキーってとんでもないバンドだねと反応が返ってくる曲である。
タイトルの「ディズニーランドへ」という言葉。このフレーズをタイトルに選ぶセンスがずば抜けており、この曲が代表曲となることを決定づけたのだと思う。
いくら硬派なブランキーとはいえ、タイトルからして何かしらの明るい曲なのかと期待して聞いてみると、
期待は裏切られ、とにかくダークな気分にさせられる曲である。
ベンジーがブランキー時代に好んで使っていたオベーションのエレアコを使用した
静かで緊張感漂うイントロからこの曲がはじまるのだが、歌われる物語が強烈だ。
ノイローゼになってしまった友達が僕に言う
あの楽しそうなディズニーランドへ 一緒に行こうよって
でも僕は行く気がしない
なぜなら彼は気が狂ってるから
主人公は、ノイローゼの友達から誘いを受けても「恥ずかしい」ので一緒にいたくないのだ。
あなたならどうだろう?
誰かと一緒にいて恥ずかしいと思ったことはあるだろうか。もちろんあるだろう。
そして、そのときあなたはどう行動した?
そんな思い出したくないようなシチュエーションを思い起こさせるこの曲は
鋭いナイフで突き立てるかのように、我々の心根の部分を抉ってくる。
普段は、自分でも気づいているのに、気づいていないふりをして蓋をしてきた
醜い気持ちを、白日のもとに引き摺り出されるかのようだ。
自分がどんなに善人ぶっていて良い行いをしてきたとしても、
結局は自分は自分本位の冷たい人間なんだ。
そんな絶望的な気分に落とされる曲だ。
この曲に救いはない。ただ苦々しい余韻だけが残るだろう。
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