安心して観られる中年歓喜のバイオレンス・アクション
ジョン・ウィックシリーズが好きな人なら、きっとはまるであろう佳作。
こういう映画はスピード感と、わかりやすさ、そしてなんだかんだ安心して観られる主人公無双状態が大切と思う。
たった90分でまとめられたコンパクトさも良かった。
映画の概要
監督 イリヤ・ナイシュラー
脚本 デレク・コルスタッド(ジョン・ウィックシリーズ)
出演 ボブ・オデンカーク(ハッチ Mr.ノーバディ)
上映時間 92分
主人公のハッチ(ボブ・オデンカーク)は、郊外にある自宅と職場の金型工場を路線バスで往復する、ルーティンで退屈な毎日を送っている。外見は地味で、目立った特徴もない。この世の理不尽なことはすべて全身で受け止め、決して歯向かうことはない。妻には距離を置かれ、息子からもリスペクトされることはない。世間から見れば、何処にでも居る、何者でもない男だ。ある日、バスの車内でチンピラと顔を合居合わせる。「ジジイ」呼ばわりされたことで、ハッチはついにブチ切れ大乱闘。しかし、この事件はその後ロシアンマフィアとつながり、街頭での銃撃戦、カーチェイス、と派手にエスカレートしていくのだった…
※引用 UniversalPicturesJapan公式サイトより
小気味良く展開していくストーリー
とにかく冒頭は何から何まで端折りまくってそのスピード感にびっくりしてしまう。
何も起きない日常が繰り返されていくことが冒頭数分で表現される。
そんな繰り返される生活の中、(この映画の中では小さな出来事だが)ハッチの家にケチな強盗が入る。
強盗に対して、男らしい対処がとれなかったことが周りに知れ渡り、家族や、近隣住民、また会社同僚である義弟からも馬鹿にされるハッチ。
ハッチは情けない男だったのかと思いきや、彼の中で眠っていた暴力性が目覚めていくのだ。
そこから先はノンストップでストーリーが展開されていく。
そのスピード感こそがこの映画の肝といえる。
覚醒したハッチはとにかく強い。
そして、だんだんと明らかになっていくのは、ハッチ自身が淡々とした日常の中で、鬱憤を溜めており、こうした暴力を求めていたこと。
相手からの攻撃でかなりの大怪我を負いながらも、確実に一人ずつ相手を倒していくことを楽しんでいるようにみえる。
その小気味よさは観ている側もスカッとした気持ちになってしまう。
ノーバディの意味
この映画のタイトルの「Mr.ノーバディ」。
ノーバディとは誰でもないどこにでもいる人という意味のままと、最初は受け取っていたのだが、
この映画を最後まで見ていくと、「ノーバディ」の本当の意味が明らかになっていく。
そして、続編もありそうな最後の終わり方。
2作目も実際に現在制作されているそうで2025年の夏に公開予定だそう。
続編も楽しみな映画だった。
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