記念すべきファーストアルバムの第一声が「猫が死んだ」だった
ブランキージェットシティの記念すべきデビューアルバム「Red Guitar and the Truth」は1991年4月に発売された。
当時人気のテレビ番組「イカ天」で第6代グランドイカ天キングを獲得し、レコード会社の争奪戦のうえ東芝EMIと契約。期待感が高まる中でのアルバムリリースだった。
そのアルバムの冒頭1曲に配されたのがCAT WAS DEADだ。
長めのストレイキャッツ風のロカビリー風のイントロがアルバム期待を煽る。
そして、この曲の歌い出しは、のっけから衝撃的な一節だった。
猫が死んだ 僕の大事にしていた仔猫が
家に帰ると玄関の前で冷たく
果たして、デビューアルバムの1曲目でここまでインパクトのある歌詞を持ってきたバンドがこれまでいただろうか。
一発目だけで衝撃でうちのめされてしまう。
この歌の主人公にとっては、猫が死んでしまったことが衝撃的な出来事であったに違いない。
この猫は生まれたときから捨てられていたのだ。誰からも気にされず、愛されることなく。
だからこそ、主人公はその猫を抱き抱え、家に連れ帰り大切にしようとしたのだ。
そんな生き物を失う哀しみと、この世の不条理さ。
この仔猫にあげた愛は一体どこにいってしまったのか。その行方がわからず途方にくれる。
そして寒い冬の季節に、なぜか寒々しい涙が落ちていく。
この曲の何を主張するともなく、淡々を事実を歌い上げるスタイルが好きだ。
デビュー作の1曲目としては完璧である。
さらにいえば、ベンジーの猫の真似声も最高にクールな1曲だ。
コメント