HYとの出会い
私はHYが好きだ。
ただし、熱心なファンというわけでもない。
アルバムがリリースされていても気づかないこともよくあるし、最近そもそもどのアーティストであっても、新譜のリリースや、ライブ情報には疎い。
また、全曲を知っていて歌えるわけでもない。
でも自信を持って、HYを好きといえるファンだと思う。
HYを初めて知ったのはまだ自分が若い頃。AM11:00を聴いたことがきっかけだった。
このときの衝撃は忘れられない。
ほぼ同年代でこんな素晴らしいラブソングを作れるバンドがいることに、とてもびっくりした。
「この世界が闇に染まる前にこの思いを」
こんなに若いのに、世界が闇に染まるなんてことを歌詞にできるなんて、とてもロマンチックだと思った。
当時は、友達のコピーバンドのライブなどにも通っていて、この曲を演奏するバンドが多かった。
アマチュアの女の子のバンドがこの曲を演奏していたことを今でも覚えている。
演奏はたどたどしかったかもしれないが、この曲を同年代の女の子が一生懸命ピュアな思いで歌っていることに感動したものだった。
HYの好きなところ
私がHYを好きなところ。HYには聴く人を幸せにさせる「ピュアな連帯感」があることだ。
HYはもともと沖縄うるま市の同じ地域出身のメンバーが作ったバンドであり、
高校生時代に、このバンドを始めた当初から
喜びも、嬉しさも、辛さも、苦しさも、大変さも、全ての苦楽を共にしてきたのだと思う。
一緒にみんなで何十年もバンドを続けてきたからこその強い「仲間意識」を彼らに感じるのだ。
そして、彼らには、故郷の沖縄に対する大きな理想があって、その理想をメンバーで共有している。
だからこそ、故郷の沖縄に思いを馳せる曲が無数にあるし、アルバムジャケットにも沖縄のモチーフが頻繁に現れるし、また最近では、沖縄でSKY FESなるロックフェスを開催している。
HYの思いは、20年前と変わらずピュアであり、私のような同年代で同時代を生きてきた人間にとっては眩しい。
渡世の生きずらさを嘆き、生きるために染まってしまった人間には、彼らの理想はとにかく輝いてみえる。
自分は変わってしまった。でもHYは変わらずにいてくれる。
そんなことを思うと、自分ももっとピュアでいたいと思えるのだ。
だからHYは、人生に疲れたときには特に、自然にリピートしている。
366日 時代を超えて愛される名曲
HYのアルバムには、仲宗根泉がボーカルをとるバラード曲が少なくとも1曲は入っている。
この曲は2008年のアルバム「Hearty」に収録されている。
このアルバムはリアルタイムで聴いていたし、収録されている曲「未来」もヘビーローテーションだった。佳曲揃いの名盤である。
その中でも、リリースから15年経ってもいまだに新しいファンを獲得し続ける驚異的な名曲が「366日」である。
最近では、この曲をモチーフにしたTVドラマが制作された。ドラマは見ていないが・・・。
そんなふうに、HYは時代を超えて愛される名曲を何曲も生み出しているのだ。
本当に素晴らしいバンドだと思う。
この曲の主人公は、終わってしまった恋について歌っている。
この恋はもうあきらめているのだ。もう終わったと思っている。
それでも今日も会いたいと思わずにいられない。
そんな切ない思いを歌っている。
まさに恋で、こんなに傷つくなんて想像もできなかったのに、恋に落ちてしまった。
誰しもがこのような恋をしたことがあるのだからこそ、この曲は途方もなく万人の心に刺さる。
この曲を聴いても、恋によっての辛い思いは解決はしない。
でも、今はその思いに浸り続けていたい。
そんなときは自分にもあった。
会えなくなってしまった人にどうしても会いたくて、
その人がいるかもしれない場所を通っては、その姿を探してしまう。
会えるはずもないのに、会えたとしてもなんて声をかけたらいいかもわからないのに。
そんな行動も、思いが昇華されるまではどうしようもないのだ。
ただ会いたい。
今はそんな恋をすることはなくなったし、賢くももっと自分を守れるようになった。
それがいいことなのかといえば、全然いいことではないのだけれど。
またそんな恋に心焦がしてみたい・・・。
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