コロナ禍の渦中で制作されたアルバム「2020」
イースタン・ユースが2020年にリリースしたアルバム、その名も「2020」。
この年はまさにコロナ元年ともいえ、何もかもが1年もたたずに変わってしまった。
行動制限を余儀なくされ、先の見えない不安が覆う。
欠落してしまったコミュニケーション。見えない感染症への恐怖。街から消えた人影。
そんな年に、このアルバムは発売された。
直接的にコロナ禍が作品に与えた影響はなかったというが、それでも時代を表しているように感じるアルバムである。
そしてこのアルバムのリードトラックが「今日も続いていく」だ。
どんなことが起きても、人間の毎日は今日も続いていく。
私はこの曲を聴くと、自分が過ごす毎日がたとえ変わり映えがなかったとしても、誇りのような何かを感じることができる。
自分では気づけないだけで、我々が過ごす毎日は、生きて日々を過ごしていくことは、
とても尊いことなのだ。
そんな一人一人が、大勢が改札を通り過ぎる。ICカードをかざして。
特別な出会うなどあるわけでもなく、それぞれが乗り込む電車のホームへ向かう。
それぞれの一度きりの人生があって、決してドラマチックではなくとも、
夜を超え、昼を超え、様々な事象を通り過ぎていく。
それを俯瞰的視点で捉え直したときに、生きることへの熱い感情が溢れ出てくる。
我々は、代えがきくような人生を誰も歩んではいないのだ。
逃れても逃れてもついてくる影。
それでも、人間の毎日は今日も続いていく。
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